2008年11月11日

REITを買ってはいけない時 その1

REITには「買ってはいけない時」というものがあります。
今はまさにその時でしょう。

その時とは不動産価格が下落している時です。
 
ほとんどのREITは投資家から集めたお金の他に、同じぐらいの借入れをして不動産を購入しています。
そのため不動産の価格が1割下がると、REITの価格がその倍(2割)落ちるような事態が発生します。
この仕組みを知らずに投資を行うと想定外の損失を被るハメになります。

たとえば、投資家から50億のお金を集めて、同じく銀行から50億の借入れをして100億円の不動産を購入したとしましょう。
運悪く、不動産市況が悪化し、この不動産の価格が2割下落して80億円になってしまった。
この時、投資家の損失は何割でしょうか?

そう、答えは4割です。2割ではありません。
50億は銀行に返さなければなりません。

 80億(不動産価格)−50億(銀行返済)=30億(投資家の取り分)
 30億(投資科の取り分) ÷ 50億(出資額) = 60% ・・・4割の損

ちなみに、不動産価格があがっている時は、この逆になります。
不動産価格が2割あがるとREITの価格が4割あがる・・・昨年のREITバブルで見られた現象です。

残念ながら、日本には不動産の価格をリアルタイムに比較する指標がありません。
公示地価や基準地価といった指標もありますが、一年に一度しか改定されず、遅すぎて役にたちません。
そのため不動産価格が下落局面に入ったら、個人投資家は売っておいたほうが安全なのです。

ネットで持ち株を公表している有名なリート投資家はもうすでにほとんどリートを持っていません。

とくに不動産バブルのピーク(2006年〜2007年)に物件を大量に購入してるところや借入金比率の高いREITは避けたほうがいいでしょう。
posted by ケンタツ at 20:18| Comment(2) | TrackBack(0) | REIT
この記事へのコメント

REITはお金を借りてるから物件が1割さがると2割損する…というお話なんですが…それって投資口あたりの純資産額ですよね。清算して売却するわけではない時は別なのでは…と。

賃料はそれほど上下しないし、返済が安定していれば銀行も貸しはがすこともなく。するとREITを買う買わないは利率で考える方が自然では??通常の現物株も利益で考えられますよね。

すると金利がしばらくあげられない上、株にあわせて値を下げて利率があがってるREITはチャンスなのではとみてます。
Posted by ごんた。 at 2008年11月12日 19:14
ごんたさん、コメントありがとうございます!
鋭い質問ですね。

不動産価格が安定している時であれば、ごんたさんがおっしゃるように利率で考えるほうが合理的だと思います。

しかし、J−REITの平均利率は8.5%程度まで上昇しており、利率では説明できない水準まで売り込まれています。

サブプライムに端を発する不動産バブルの崩壊で、不動産価格の先行きが不透明になり、投資口価格は利率よりも純資産価格に収斂されるようになってきているんだと思います。

ただ、ピンチの中にチャンスあり、ですので不当な価格まで売り込まれている銘柄を拾うのはもちろんありだと思います。

私が警告したいのは、長期安定資産だと思ってREITを購入するのは危ないですよ、という事だけですので。

私もデイかスイングですが、REITへの投資は続けています。
Posted by ケンタツ at 2008年11月12日 21:13
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/22742164

この記事へのトラックバック