先月9日、日本初のREIT法人の破綻がありました。
その翌日はストップ安を連発し、REIT全面安となりました。
その後、東証REIT指数は一時、700を割り込んだものの
怒涛の勢いで回復し、昨日の終値は863まで戻しました。
しかし、不動産市況を取り巻く環境はなんら改善の兆しはありません。
利下げというプラス面はあったものの、昨年の不動産バブル崩壊後、不動産価格は下げ続けています。
そんな中、日本レジデンシャル投資法人から物件売却のニュースリリースがありました。
その概要は次のとおり
帳簿価格 約28億2千万円
譲渡価格 約26億2千万円
譲渡損 約2億円(7%の差)
掲示板を見ていると「7%の損で済んで良かった」と好意的にとらえている方もおります。
しかし、この物件をよく見てみましょう。
7%どころではなく、評価額に比べて12%も安く売っています。
鑑定評価の問題点は、依頼主からお金をもらって「鑑定させていただく」という立場であることから、どうしても評価が甘くなってしまいます。厳しい評価をすると顧客がよそに逃げてしまいますからね。
さて、もっとよく見てみましょう。
取得日 2004年12月2日
稼働率 100%
不動産バブル前に仕込んだ物件ですね。
しかも稼働率100%を続ける優良物件です。
ここの投資法人は不動産バブル絶頂期である2006年〜2007年頃に高値で大量に物件を仕込んでしまっています。
その物件は一体、いくらで売れるのでしょうか? 鑑定評価額は信じられるのでしょうか?